プラネットOFゴリラ(41)

 

生まれたときからみんなが持っている宿命を、プリンスはみずからの生い立ちを例にしてその範疇で鑑み、識別する傾向がありました。それは人から見ると屁理屈の類にしか映ってはいない。あらかじめそこを了承していたことは、効を奏じ始めていました。人為証明をやってのけるとすれば、世界中に自分しか存在しないこともわかっていたのです。理性の行き着くところを知りたいとは全く思わず、むしろ熱狂的なものに追随していく構えであったことも、大きかった。ちょうどそれらはブリザードのある地点で揃う予見があったためにプリンス自体、さらなる慎重を行動規制していた矢先のこと・・・七人の侍を指名して、同じ行動で行くこともやぶさかではない未来があったことが、今後の明暗を分けていたのです。プリンスの存在をもしも国民が知ったら歓喜する人々も多いだろうとの予測は立ちました。しかしプリンスが栄えることを敵視するグループも同時に存在していました。心根の優しいプリンスは愚かなる者たちをいかに傷つけず、抑え込むのか、思案を重ねていたのです。地平線の向こう側に控えるブリザードを上手に運用して、そこに閉じ込める案は浮上していたのです。