プラネットOFゴリラ(21)

 戦後10年の苦しみを乗り越え、ようやく、すべての分野が芳醇に推移して、義務教育の分野でも間違いのないカテゴリーを構築した・・・すべてが整ったと過信してしまうことが歪みを生み、逆にプリンス出現は人々に警鐘を鳴らしているとすればいい位置につけていた。しかし最初から使命を渡されているプリンスはじっと推移を見ているだけでも意味があることがわかっていたのです。それを愚鈍とか、出来ない人と烙印を押す方もあって充分いいだろう・・・とプリンスは無垢な心で対峙をしていたときです。人と人の間に、微妙なズレがあることも段々わかってきたのです。自分の世代と同じはずの人々と、プリンスには若干のずれが認められ、しかもプリンスは男の生き方も想定内でしたからさらなるズレが生じてくる。しかしそういう一切合切が好材料になっていることも啓示で知らせてくれプリンスは物書きの位置を奪取していました。今までまったく人気はなく、物置きの猫だったのに…確固とした地位を奪取?みんながいぶかる場面でしたが、プリンスには黄金堂のご利益が関与した事がわかるゆえ、黙々と執筆していくのです。才能の分析をしていくとプリンスには音楽や文学面での才能のみではないことも大きな試金石として見えてくるのです。経済人を一堂に介させる力です。ここまで来ると、人々は迷いに迷うのです。こういう人材は日本には存在しなかったからです。人と人の間には見えない川が流れているっていうセオリーで皆は来ている。それをも無くしてしまうとすれば・・・もしもその評価が妥当なら人々は襟を正すだろうしプリンスはそこを逃がすまいと凝視していたのです。