プラネットOFゴリラ(32)

 

戦後11年間は誰にもチャンスは回って来たけどそのあと、時代の表層は固まって行く。よほどの運と金策と剛腕を縁故者を持っていなければ世界の尾根を見下ろすことは出来ない・・・真摯な気持ちで啓示を受け取り、しかもフリーエージェントの枠組みにいたプリンスは最高の環境にあったことが言えるのです。誰もが暗い未来しか抱けないコロナ後の世界。AIが来ていたのです。ロボットか人間か?という登竜門を全員くぐるときにもプリンスは獣道を知っていたからスルー出来たのです。山の頂上に行く為にいくつもの道がある、これは目上の人から教えてもらったことでしたが、プリンスが懇切丁寧に市井の人々へ向け日々行った示唆の言葉でもあったのです。頂上にいないはずの人がいたら、イリュージョンでも蜃気楼でもゴリラでもなく、獣道から登って来た貴人、、、しかしプリンスの身体には帝王切開の傷が二本あるだけ・・・みんながよんどころないケムに巻かれるとき、啓示は地球上に向かってメガホンで発声されるまでに大きくエコーしていくのです。奇跡の物語はこうして本来の幕を開けて行ったのです。