右のみぞおち

 寝返りも出来ない位に右の溝落ちが痛んで毎日やっていた腹筋三十回も十回に減らす。病気の影響で56キロまで体重は落ちるけど全然嬉しくない。家族もお母さん、癌かもしれないって脅かすし、Pちゃんも私が死んだら一千万円がPちゃんに入るので何だか顔が紅潮して見える。Pちゃんは紅顔の美少年タイプだった。幼い時分から客が家に来るたびに、鶏を紐で吊るして絶命させて、首を切る。そしてその血も客人に出す。佐賀の田舎の風習だ。そして熱湯に殺した鶏を入れて羽根を全部取る。そこまで下ごしらえしたものを厳父に差し出す。Pちゃんはお母さんを小3で亡くしている。家のことを覚えてやるのも当たり前だった・・・。