プラネットOFゴリラ(56)

 妥協することがプリンスには往々にしてあり、そこから脱却することがまずは、己の課題として大きな試練として浮かび上がっていました。それは今までとは違うゾーンに来ていることを認識出来るバリアでもあったのです。風采も上がらない表面上のプリンスは続行であっても、度し難いものがすでに生まれていたのです。プリンスが妥協することで、日本の水準を落としてしまいかねないのなら、一歩も後退出来ない…世の中には笑って済ませられることと、そうではないことが控える。妥協することは、自分を曖昧に置くことになる。今後を左右する大決断であったゆえ、充分な時間を必須としたのです。狂歌を詠む態勢にあったことが、より鮮烈にプリンスを不動の位置に付けたことは自明になっていました。