プラネットOFゴリラ(47)

 

形勢は盤石とは言えず不利でした。プリンスには先のことがわかるゆえの変更がすこぶる多い。だから、周囲に不満を与えることは少なくはなかった…しかし、それすら、上手く交わす能力にたけていたのです。バックれ術です、そうだと見せかけ敵を安心させておいて、一定期間中、相手をそこに、止めておく。その間は敵は一歩も前進不可。プリンスにはそのほうが都合が良かったのです。バックれ術は、それ風に見せかけることが要領でしかも、程よいタイミングで逃げる技が必須でした。若い頃からプリンスがしょっちゅう使った肝いりの秘策であることは自明でした。