プラネットOFゴリラ(2)

 

ゴールド志向路線はプリンスには若い頃から芽生えてはいたものの、それが固定路線になっていったのには、コンビニの掃除を毎日せっせとやっていた絡みからです。ある日、男子用トイレの窓に目を向けると、ふたりの金の物体が座っている。座布団には黄金堂とあり、すぐメッキだとわかったものの一応、お守り。重さもあったことで、帰り支度に入るオーナーに尋ねてどうすればいいか?仰ぎます。オーナーはあなたの手で持ち主が現れないときは処分してください!!って。プリンスは日々の食い物にも困っていた関係上、処分は自分には出来ない・・・ってとっさに顔をしかめます。しかし次の言葉で覚醒するのです。コンビニが忘れ物を全部管理するなんて土台無理。あなたの手で処分してください。そのときはぎりぎりまで電話があるかもってニ体(カエルと右手を上げた猫)をレジの水道出る横に座らせて電話を待つも時間中、とうとう電話もなく持ち主も現れなかった。そこで類推が走ったのです。もしもこれが本物の金(キン)なら、みんなの対応は180度、違っていたという新しい認識です。18金というのはそれほどの猛威を誇るんだ・・・この2体ですら自分にとっては充分価値があるものだけど、18とか24と刻印があるだけで、物事への見方や所作は時系列で転換していく・・・プリンスは躍起になって、それからますますゴールド志向にのめり込んで行くのです。