プラネットOFゴリラ(4)

 

芸術を司る仕事は孤独であるべきを崩さなかったプリンスでこの宇宙船に棲める人々の中での選別を、必ず履行したのも、下書きがあったからだった。人間は完全に5つのタイプに分かれる。手作りが好きな人間のパターンだ。男でも女でもその方面に才能があれば、プリンスは積極的に宇宙船のまかない係に起用した。そこでは一日に食べる分量の人数分が作られていたが、仕切るのがそれぞれ自分に自信がある者たちでいわゆる料理の達人と呼ばれていた。バナナのスムージーは毎日出てくる。それに大豆と昆布の煮物だ。ご飯は炊かない。すべてがパン食に替わっている。芸術方面で頭角を表しそうな人物は、ソッコー面接時点でわかっていたプリンスなので、特別に高待遇を約束した。お金の高待遇ではなく質の佳い睡眠を与えることに邁進したのだ。それがあれば芸術も開花する。そういったエグゼクティブな人種は希少で、プリンスこそがもう一度、この國の情操教育に一矢を報いたいとの願望でここまで来ていた。しかし囚われの身にある人々もあり、そこは暗室で食事も3日に一個のエグチだった。トイレもない。そういう冷遇を受ける人々の罪は明らかで、そこを本人が認めても認めなくとも、長い拷問は続行して久しかった。優しさの裏にある途轍もない強さを憎しみを、その当時のプリンスはみずから認めていたのだ。