貞彦編358

 千人のうちのひとりの意見だっていいわけだ・・・。それで、亡くなった夫も容子にはブログは合うかも?って期待をしていた節はある。なぜならあたしには常識はないな・・って常に難癖を付けてきていた。常識が必要な場面では黙っている方がいいって自覚していたから結構、気にするタイプ。でもどうしてもここで言わないと気が済まないっていうときもあって、そういうときは、夫にも反発して喧嘩になってでも意見を言った。結果、自分の意見は採用とはならずとも、あとで、あたしの予想した通りになることも多くて、ザマミロって心で思ったりした。しかしあんまり酷いと可哀そうになってしまう憐れみが深い人間。だからひと様に好かれる。みんなが母親のあたしを慮る。予想したことはハッタリだったのに当たってしまう。皆がそれからは注意深く母親の予想を尋ねるように変化してきた。あたしには経験がある!!ってふんぞり返ってはいけないのだ。あたしはみんなと一緒に今日と言う日を体験しますよ!!っていう具合に開襟を広げる。そしてみんなと懇談する。皆が違う意見があっていい。千人のうちたったひとりでも意見は意見だ。常識は多くの人がそれを持ちうるという多数決。しかし芸術家の仕事はそこにはない。ここが味噌になる。