母の心を探り出す努力

 私は母の心を探るために時間を置き、どうしてあんなに大事にしていたお琴、五右衛門風呂で焚き火にしてしまったの?って。母はすぐには回答しません。しかし私の気持ちに段々と折れてくるのです。終戦後の食糧難で着物を渡して替わりに卵を得たといいます。田舎まで行って何回も着物や帯で卵や野菜を貰っているうち、母は三姉妹の中でもまんなかでしたから、ふっと我にかえることもあったと言うのです。姉と妹。二人とも利発で本当に思いやりのある娘・・・。キミを支えている。それなのに、自分に物凄い憤りが芽生えて、何でこんな思いをしなくちゃいけない??着物や帯を失いたくない気持ち。どうすればそれが叶うの?って。私はその時、優しい母の気持ちに及ぶのです。物事には三つの側面がある。姉の行為はキミの手足になって動くこと、妹はキミの代弁をしながら対応に動く。母に与えられた道は何なのか?そこをしっかり見つめていた心のありようが見えて来ます。疑問にぶつかって立ち止まり、存分に悲しむことも人生を豊かに逞しくする。いい意味でこの貪欲こそが苛めを振り払う時の原動力になるのです。