プラネットOFゴリラ(96)

 

プリンスの名前は徐々に人々の頭に浸透はしていくものの、逆にふるさとの人に限って、プリンスを思い出せません。高校のときにバックレていたことで旧友たちの頭の中から消えてなくなっていたからです。プリンスはみずからばっくれたわけではなく留年はしたくなかったから転校しただけ・・・それでも人々の目からはバックレにしか見えなかったことが実に感慨深いことだったのです。自分では・・・転校したつもりが・・・世間ではバックレに見えていたとすれば・・・それを聞きながらゴッドも飛び上がって人差し指を出してジェスチャーして来ます。お前は後ろ指を差されていたんだ・・・プリンスはすぐに切り返します。それはニュアンス自体が違うと思います。私をいかに世間は分析しようとも僕の本当の姿は僕にしかわからない。いいや、そうではないのだ・・・プリンスはゴッドの言葉に耳を傾ける心の余裕が芽生えていました。そこに世間と自分をボーダーする段差が認められる・・・と。