プラネットOFゴリラ(71)

 自信に漲る今の状況に比較して、プリンスは15歳からずっと劣等感の塊で、潔く、学業の不振を認めるでもなく、酔っぱらいが管を巻くように、鬱屈とした様相を醸し出していたのです。か弱いプリンスは味方を求めて、ゴッドも精神上の支えになったのに、65歳を過ぎた頃から、よそ見を始めてしまったのです。夫を亡くしたことが要因でした。凡そ人生の醍醐味をプリンスは飲み食いや豊かな生活に投影していた訳ではなく、あくまでも、我が身に対する世間様からの低い認知度を向上させることが、目的としては筆頭でした。日本的にも、佳いとされる志向を、プリンスは絶対選びません。あくまで、自分が選び取るものを中核にして水準を計る手法に拘っていたのです。