貞彦編277〔オラン・ウーマン編〕

 少しひと様と好みが違うと袋叩きにするのは人間の業かもね。私もみずからを猛省した。事実偏見はあたしも強烈に持っている方だ。長崎の言葉で余り今は使用されないが当時はみんなが使っていた言葉を挙げとこう。これみよがしに宣伝したり威張って見せたりちょいと気取った格好することを、こう言った。よかぶってだ。例えば使い方として次のようになる。見て見て、あん人、アーノルドパーマーのブランドの傘だってみんなに吹聴して回ってるわよ?これが長崎弁ではこうなる。見てみんね、あん傘ばあ、よかぶってあん人は、みんなに見せぶらかしよっばい。ええ?分かりにくい?爆笑される人も多いだろう。よかぶっては伯母もよく使っていた。よかぶって、容子さんは、今頃慌てて、なんばしよっとね、みんなもうそのことは知っとるとばい!!私も情報は遅い方ではなかったが、根がとっぽい。みんなが知ってて自分が知らないときも意外や意外多かった。そしてユーモアは偏見を救う☆すべ☆を知っている。このことはみずからが経験して感動した。私はずっとずっと出べそで悩み、低い鼻で悩み、毛深いことでも悩んだけど、結局、エニグマみたいな苛めには遭ってない。それほどこの同性愛に関してはイギリスのみならずどの国でも視線は厳しかったのだろう。そういう切羽詰まった暗いムードをカンバーバッチが払しょくしながら演じてくれた。天才は永久に死なず!!のメッセージだった。