貞彦編241

 伯母と叔母は全く性格が異なっていた。それこそ36歳までしか生きなかった叔母は投稿歌人でしたから常に歌のことを考える脳。お茶も若い時からお手前を受け鍛錬しその道のプロだった。市立幼稚園の先生だった。しかし伯母は91歳まで生きてなんら残さなかった自分の本当の姿を、どこかで修正したいな?があったと思う。父は毎日でも執筆するくらい文章が好きであったけど、伯母は常に女性の仕事と家事の両立について、そして老後についてを自分の中で煎じつめ、そして何度も何度も繰り返しあたしに伝えてくる。一回ではなく二回、三回、そしてまだくるか?って。こっちはやはり否が応でも彼女の意識を汲み取ってしまう。ああ、こんなときに歯がゆい思いしたんだなって。伯母は再婚して夫ひとりならまだ、どうにかゆったり出来たんだけど旦那の姉に気を使っていたこと・・・。この苦脳なんですね。三年以上は添ったと思う。つまり、姉にどういう扱いをするかで、再三再四、夫にも気を遣ってその挙句かなり叱られていた・・・。可哀想です。しかしお姉さんは上品でとても清楚な方。旧家ってやはり流れているんですね。昔のしきたりが。そういうものを今の若者が背負っている場合、打ち破って今日に至る場合、先人達の評価はかなり割れるでしょう。あたしは後者を支持です。でも一緒に義母たちと暮らさなかった結婚が二回とも。このことで今ののほほん体質を維持していることも分かる。