貞彦編〔140〕

 ようやく長女から退院したというラインを貰い一服します。大病に罹っても彼女の気概は衰えを知らない。あたしは正しく子供に学んでいます。いつも上から目線で子供を見ている安易な自分を改めます。なぜなら親は子供よりも上だ・・・って自分を設定しがち・・・あたしは子供以下。いかにエゴイズムの塊だったかって認識を深める。しかも今回の九号、十号の台風で世論というものの両極端に覚醒する。一方ではこてんこてんに九電責める人間いたかと思うと、片方では、冷静であったかな気モチでいれる人々。百年に一回と言われる惨事だから九州電力は悪くはないって。あたしは実は前者だったんです。しかし後者の意見を持つ人々にも興味を持ったことは事実。これまでの人生を振り返る。自分が上手くいかなかった人生を歩めば、必ず、他者に難癖をつけたくなる傾向があって、改めて、自分を見直すきっかけになった。電話して九電に何回怒りをぶつけたでしょう。でも立場はみんな同位。それなのにホテル代支払え!!って散々恫喝した。しかし今考えてみるとこれは間違った行動だったんだなって。なぜなら窓口で対応する若者にはなんら、責任ないってこと。こんな簡単な世の中の構図でさえ読めてなかった。無事に帰りついて電気が通電していること、我が家の自販機も蘇っていたことで我に返った。ちなみに我が家、九号では八時間弱の停電で十号では15時間超の停電だったようです。