貞彦編〔129〕

 夫は1943年生まれでちょうど十九歳から五十九歳までバンカーを務めています。2002年で定年して次はパチンコ業界に五年間ほど勤務します。あたしの12年連日投稿も2003年の十二月で終了しこの後は投稿を暫くしていません。はてなまで十年したためていないのです。あたしは十二年もの投稿生活の間、ほぼ夫のことをしたためていなかった。書いていくのは自分の気持ち。彼が会社で何があってもそれを題材にすることは滅多になかったのです。でも短歌にはしばしば詠んでいた。しかし短歌は六年半で終止符を打っています。エッセーで銀行のことをしたためて行くことが後に公開されるから?そうではない。憶測ですが思うのは慎重に駒を進めていたんだなあっていう主婦の姿勢が伺える。あたしたちはどこまで行っても家庭人です。キャリアもない。たとえ自分が正しいと思っても負けることが分かっている。ゆえに喧嘩腰になれない。そういう諦めに似た観念もあって、おいそれとは夫の仕事上のことはネタにしたくなかった。しかし1999年最後の夜から翌、2000年に行く時のこのマージャンのことは書いた記憶ある。なぜなら千年に一度の夜ですから。ここにドキュメント作家は拘るのです。いつもの店でも時空が異なる。ミレニアムが目前。あたしは夫にマージャンをしないで!!って言ったことは一回もないし、彼も同様にルールを守っていました。あたしに執筆するなよ!!は一回もなかった。夫婦って素晴らしい。お互いを尊重していたからこそ出来る枠組みです。