貞彦編〔114〕

 あたし達が引き寄せようとしている次世代社会は、一大強者をこの国で輩出したいとの狙いではないのです。一人一人が自律自衛出来るような未来です。それなのに偉人に極近い人の話に終始していてはいけない。あたしが拘るのは国民個々がみずから強くなっていく方程式。なぜ、終戦後日本はあれだけの発展を遂げ、今ここまで衰退してしまったのか・・・もちろんコロナ淘汰の影響大。そこで物事が見え易くなっている面と見えにくくなっている面、ここを両方同時に見ておかないといけない。第一、山本五十六は自分の考えとは全く別の道を選んでしまった人。そこを履き違えてはいけない。彼は海軍の中でも良識派。開戦には深い憂慮を抱いていた。それなのになぜ真珠湾なんですか?ブーゲンビル島で起こった海戦では多くの人が戦闘ではなく、飢死〔うえじに〕している。こういう状況を若者はきちん知って事実と対峙し見てないといけない。自分が本当に戦争回避派ならそれを、まっとうしないと・・・。それとは逆を行ってはいけない。神輿に乗ってはいけなかったのです。しかしそれを担ぐ軍人たちが多過ぎた・・・三国同盟にも反対だった。あたしは山本の本当の願いと狙いの両者が分かります。脇田大佐はどうだったんでしょう。ドイツイタリアと手を組むことに彼は賛成だったのでしょうか?