貞彦編〔90〕

 どうも脇田家の女系は高慢チキで困ります。長女から車あげるって三男を介してラインで言って来たのに、自分達が貧乏なので見下しているって次女は言う。せっかく言って来ているから、あたしは喉から手が出るほど欲しかった。十万キロ行ってないし、さ来年が車検でうちの車よりも年式新しい。ホンダのライフです。しかし次女はおかんむり。父親が亡くなってから一回も直のラインが姉からないことで怒っているのです。あたしは長女の気持ちがとてもありがたいのです。十二月に車検代が出て行かないならどんなに助かるでしょう。しかしお父さんの魂も宿っていると次女が言い張るのです。確かに・・・そう言われてみれば一緒に豊橋まで走った車。あたしも今回ばかりは次女を立てて、車を貰うことは諦めました。実はいいことがあったのです。昔の彼氏とよりを戻して友達から開始することになった次女。手始めに孫にパンケーキを長崎の老舗でご馳走したいって言ってくれているそうで今から楽しみ♪。一気に明るいムードになって、しかし、最初のデートからあたしが行くのもおかしい・・・って意見を言ったら、相手もお母さんが一緒の方が打ちとけ易いって言ってくれているらしい。パンケーキかあ・・・梅月堂だと思います。あたしが対峙しないでもいいって思うと嬉しい。ようやく次女にも悩みを打ち明ける相手が出来てあたしは幸せです。息が詰まりそうにここまでの道のりは苦しかったからです。