貞彦編〔62〕

 深い睡眠が五時間あるあたしこそ健康老人ってそう思ってたけど、本当にそうなのかな?って。時々、怖い夢を見る。昨日紹介したような玉手箱の夢はのんびりしていてそこまで追い込まれてはいないけど、今でも見るのは夫から激しい叱責を受けている夢・・・。ここはこうなんだよ?っていう物事きっちり仕切る人で、そこが自分の考えと違うと彼は怒り出す。あたしは何でも自分のさい配で出来るという芸術方面があって、そこが逃げ場所で良かったな・・・って。これで、ずっと、逃げ場所もなく夫の言う通りに動いていたなら恐らく発狂していたかも?って。それくらいセオリーがはっきりしていた。一日のサイクルを朝から決めてその段取りで動く。一寸の狂いもない。他の人達も自分の思い通りに動かしたい!!っていうのは見え見えだったことで、あたしもそこは交わしました。みんながみんな、夫のようには完璧を遂行出来ない。自由でふんわりしていたい時だってあるし必要。厳しい修練が彼の人生のシナリオにはあってもみんながそれを望まない。それは当たり前。遊び心やジョークのゆとりをあたしは子供達に付けさせました。しかし正念場ではどうでしょう?夫の手法をピンチになったら子供達はこっそり紐解くのです。夫は厳しくて母のあたしは甘い。このコントラストが良かったのかも?とは思います。どっちも厳しいなら息が出来ないって子供等みんなが後になってあたしを褒めるのです。