貞彦編〔49〕

 転院してそれから娘は赤ちゃんを産むまで2カ月入院。この日数は大変だった。宿としてフリースペースというインターネットカフェを利用したり、早朝から動き出し浜の町のミスドでモーニングを食べ病院へ行き、付き添いとして親の務めを果たす。どんな失敗も娘は許さない。最初の子供だっただけにそこはシビアです。未熟児ではあるものの、一時は合併症にも陥った娘が日々回復したことで、主治医はもしかしたら自然分娩でも行けるか?っていう思いがあったんですが、あたしは最初から最後まで帝王切開を切望。娘は迷いに迷ってあたしに従ってくれる。どうしてもこの子が自然分娩で出産出来るとは思えなかった。先生に直々頼んだ程です。どうか、先生、帝王切開でお願いします!!って。この時の土下座は、自分でも凄いなって。しかし本来は先生や娘に全部任せないといけなかった。それなのにしゃしゃり出て物事をひっちゃかめっちゃかにしてしまう・・・それがあたしの全貌です。自分の経験が控えていた。帝王切開二回やってどちらも無事に出産。その安心が心を占め親子の思惑を支配していたと言える。でもその半ば強制のやり方が次女を雁字搦めにしたのならあたしは人間として最低です。いつもリスクを恐れ、なんとか無事に切り抜けようとする無難主義者・・・みんなが、えええ??まさかってびっくりする瞬間だと思う。こんなに大胆不敵なあたしの全く別の一面だからです。