貞彦編〔20〕

 父の相見違う点は、あたしも父の存命中、何度も遭遇で、例えば、卒寿を迎えた時。うちに一ヶ月引き取っていた期間があったんです。関東大震災の年に父が生まれていますから2013年二月。あたしは、計算高く考えていたのです。父の年金が振り込まれる通帳を預かることは出来ないかな!?ってそれなら、うちでパートナーと一緒に面倒看るのもいいかもなって。しかしながら弟が猛攻して来る。通帳は渡さないって。まだ、父は90歳になったばかりの頃・・・しゃきっと歩いていましたから、そこが死角になってあたしに誤算が生じます。父はあたしを頼りにしているんだ!!って思い込んでいた節がある。しかし父の本心は家で死ぬこと・・・決してあたしのパートナーに難癖付けられて不自由な思いをしながら死ぬことではなかった。そういう勘違いって人間誰しもあるけど、父はそういう意味で八方美人だったな?って。容子さんが最も信用出来るって言いつつ、自分の家を結局は選んであたしの眼を盗んで逃避行。探しました!!警察にも電話して父の居所を。結局父はイオンに行ったり、親戚の経営するケーキ屋さんなどあちこち周遊して、あたしの家から300メートル先にある自分の家に戻っていた。ショックでした。あたしは父の年金を宛てにして、一緒に暮らして、もっともっといろんな場所へ行き、父と懇談したかったけど、それを父が断った形になりますね。人生は解りません。口で言っていることと行動が合わない。父は正しくそういう突発的な七色のこころを持つ人でした。