貞彦編〔13〕

 ちょうど数字が遭うことが符合論者のテレマークですが、母の家族も、女子三人と男の子が一人。全く符合しているんですね。本当にそれを知った時には驚きます。母の家は、姉兄母妹となっていますが、父の場合、姉姉父妹。それぞれの家は男の子を中心に動いています。しかしあれ位、タヤが跡取りに固執したこと。分からなくはないですが、時代がメリーゴーランドのように回って、すでに白馬の上に乗っているのは女児だったりで、昔ほどの執着を男の子に抱くことは稀でしょう。母は常に姉と妹の間で自分を計っています。姉は即座に気が付き、妹もそつがない。全員で母親を支える時にも、同位で姉はいの一番に母親の気持ちを察し、妹はみずから動きみんなの手足になれる。自分はどん臭いのでは?そういう思い母にはあったでしょう。余りに鋭敏で利発な兄と気配りの速い姉と妹。母だって、みんなのように・・・とはなってもやはり、脇田大佐のことからまだ逃れられないのです。尊敬する父親が非業の死を遂げる、若者たちも巻き添えにして・・・。そうしなければならなかったことが心底辛い。完璧な人の面目が泣く・・・じゃあ自分はどんな生き方をすれば父の思いに添うことが出来る?って。それぞれが終戦を迎え、みんなが戦後を持てる力を振り絞って生きる時、どこかまだ、解決出来ない思いを胸に抱く母。姉と妹に比べ心が全快するのは遅かったかもしれない。誰にも解決出来ない怒りや悲しみをずっと母が抱いていたとすればそれは当然だったかもしれません。